【保存版・2022年最新】デザイナーから見た、メガネ/サングラス素材の最新事情とそれぞれの特徴(METRONOME)

【保存版・2022年最新】デザイナーから見た、メガネ/サングラス素材の最新事情とそれぞれの特徴(METRONOME)

  

 

 

ロンドンからスタートしたアイウェアブランド、「METRONOME®」を販売するMETRONOME DESIGN INC.の日本オフィシャル通販サイト・METRONOME-Tokyo Onlineです。

今回は、メガネ/サングラスの「素材」について記載しております。その「素材」次第で、メガネ/サングラスは色々な表情を見せてくれます。

 

セルロイド
主要製造国
日本 > 韓国 > 台湾

大きく、昔はプラフレームと言われれば主にこちらです。材料原価2022年現在、原油価格、また噂レベルではレバノンでの爆発に際し、かなり高騰しています。

可燃性の高さにより、削りには水をかけながらとか、結構気を使う商品で、METRONOMEや当社の企画では海外に出荷(韓国、台湾などはまだ大丈夫ですが、EU圏、アメリカではダメ)に規制がかかるため、海外出荷がメインのブランドとなると、ほぼ99.9%使用していない、というか使用できない素材。

テンプルに芯材が不要で(これがデザイン的に1番のメリットでしょうか)、一時期日本限定で作成するフレームにと僕も考えたが、クリアーの生地にゴミが多数入っていたりと、日本にあった素材が安定していないためボツに。
(このゴミってのが結構ひどかったのだ)

生地さえいいものが入れば少数限定生産でやりたいのだが・・・。セルロイドといえば、光沢感と透明感である。その透明感がゴミで台無しなセルロイドに用はない。むしろ、そこ(綺麗な生地目)を安定的に受給してる工場は、少なからずともまだ先はあるのかな、とは思います。

いいものではあります、なので僕も本当は作成したいのですが、如何せん主戦場が海外となると難しいのです。

 

アセテート
メガネを製造してるところは大体こちらです。

管理、品質保持が難しいセルロイドの欠点を改めた、植物繊維由来の合成樹脂がアセテート。当ショップでも得意な素材でもあります。

一番扱い、加工しやすく、糸鋸とやすりさえあれば、器用な人ならある程度はできるのもこの素材。うちの会社での「プラ枠」と言うものは全てこれです。(「当社で」の下りは後述します)

色々で豊富な生地目が特徴、原材料価格もピンキリ。有名なメーカーだと「マツケリ」、「ダイセル」等があり、中国メーカーの生地ブランドも多々ございます。
で、僕は大体「ダイセル」or「金余(ジンユー)」で、青みの(寒色目、青とか緑)生地目だけ「マツケリ」という謎のルールを持っています。

値段で言うと

マツケリ > ダイセル > ジンユー

と言う感じですが、どうやら日本で頼むとどのメーカーもほぼ中国で生産したものが回ってくるので(マツケリだけ、難しい生地目デザインや、寒色で生地から企画すると、たま〜にイタリア本社からくる)、あまりここにこだわることはしなくても良いと思っています。(ただどのメーカーも、寒色に関してはマツケリほどの表現がないと主観で思います)

少し重いと言われますが、圧縮アセテートとかもあり、一概に言えない。マツケリ押しをするメーカーもあり、それはそれでもちろんいいですが、基本マツケリって乾燥していないのです。

ぐにゃぐにゃで来たりします。なのに高い。「沿ってる生地は大体マツケリ」とプラ枠屋さんならうなづいてくれるはずでしょう。なので、一概に「マツケリサイコー!」とはならないのです。だって、それが製品化されてるっておかしいでしょう。恐怖以外何者でもない!というわけです。

で、こう言うのの原因は、まず板状の際に、水分がまだ含まれていて、それが原因で反る、と言うのがおおおまかな原因で、

対処法としては

・有無を言わさずそのまま「マツケリだぜ!高いぜ!」と出す(客に不良だ!と思わせなきゃいい)

が大半かもしれませんが、さすがに僕はできないので、

・乾燥させた(蔵に1年ほど寝かせた)生地を使用する
デメリット
流行に1年ほど乗れない、仕込んでから寝かす時間がかかる。

・強制的に乾燥させる
デメリット
費用がその分かかる、と言う感じで、上記二つ。

蔵に寝てるいい生地が出てくると嬉しいものです。もしくはここ少しポイントですが、上述した寝かせたクリアー系の生地(別にクリアーじゃなくても用は寝かせた硬い生地)と、生地目の沿ってる方向とは逆に圧着で重ねてしまう、と言う手もあります。

いわゆるギターのネックと同じ論理で、木を何枚も重ねて「3ピース」「7ピース」などと呼ばれるように、基本重ねれば重ねるほどこのアセテートも強度が増す理論は通用します。そこに反り防止、沿った際の手法として「芯(芯貼り、シューティングとも言う)」、ギターだと「トラスロッド」を埋め込む、という論理は全く一緒なのです。

少しそれたが、大体はこんな感じでアセテートはいいぞ!と言うものです。

それと、あと一つ。

最近、マット加工を別注でやり始めましたが、なぜ内側だけしないかわかりますでしょうか?

アセテートもセルも、基本なぜか使用してるとだんだんマット加工したみたいに部分的に白っぽくなってくるのです。それで、磨けば(バフですね)治るんですが、磨くと艶が出ます。そして、そうなると再度マット加工しなきゃで、その度に印字が消えるので入れ直す、というわけなのです。

それゆえ、内側までマット加工してあるフレームは大事にしてください。(裏を返すと、非常に修理に手間と費用がかかるのです。それから、印字がなくなるというのは、ブランド的にはアウトですよね。。。)

 

木(ウッド)
主要製造国
中国 > 台湾 > 東南アジア > 日本 > イタリア > スペイン

1stコレクションの際に、竹を部分的に使用したモデルがいくつかありましたが、ちょっと当ショップ的には、「全部木材系」でやる勇気はないですね〜。

原因は、

・「調子が取りずらい、眼鏡屋さんがフィッティングしにくい」と言う、もはやこれにつきるものです。

しかしながら、当ショップデザイナーは実は好きで、中国やイタリアのメーカーと展示会のたんびにコレクション見せていただいたりしてます。(コルクのやつとかいいですよね。)

ただ、これもなんとなくのフェイクウッドみたいなものがア、セテートでできちゃうんですよね。。。(生地目が水流し的な生地を選定し、融点寸前まで温めて、筆やブラシで加工する”ブラッシング”と言う技法を使用するとかなり近い木目”調”が出ます。1stコレクションのメタライズとかそうです。)

となると、「まあアセテートでよくない?」となります。

ただ、家の素材で最近流行りの「玄関レッドシダー貼り!」か、「窯業系サイディングの木目調!」くらいの雰囲気の差が出ます。どちらも一長一短です。ようはそんなものなのです。

 

ウルテム
主要製造国
韓国=台湾>中国

びにょーんと伸びてビュン、て戻る、形状記憶のプラスチックフレーム見たことありますでしょうか。主にあれですね。そうではないウルテムもありますが。基本的にはそれです。

基本、作成には「インジェクション」と言われる作り方でできるものです。それで、メイン生産国は韓国および台湾、一部中国です。日本では知らないだけかもですが、製造してないんじゃないでしょうか。

それで、こちらを国内メーカーやブランドで見ないのはなぜか?なぜ大手チェーンが販売してるばかりなのか?答えは簡単、「ミニマムロット」が大きいからです。

型数多く作りたいブランドだと、1型のミニマムロットが大きいと作るのも捌くのも至難の業です。あとはミニマムロットがないありものに、名前を入れただけの「ODM」が多いのもこちらです。

しかしながら、これ一概に悪いともいえなかったりします。だって、形戻るんですよ?形状記憶って、よくフレームを壊す人には最高かもしれません。

デメリットはフィッティングしにくいんじゃないかな、という点ですね。(そもそもその概念上で作られてない気がするが)

ちなみに3Dプリンターブランドの原料はこれか、最近は積層チタン。デザイナーも好きですけどね、やったことないのですけど。(仕入れて売ったことはあります。企画したことはない)

 

TR-90
主要製造国
中国 > 東南アジア全般 > 台湾

スターウォーズに出てきそうな名前、、、いわゆる「プラスチック」の一種です。わざと「アセテート」と書かずに、「プラスチック」と書いてるやつはこれが多いんじゃないかなと思います。(アセテートならアセテートって書くことが多いですよね。)

当社では、前述した「プラ」と言うと「アセテート」になりますが、大手だと今これを「プラ」と呼ぶケースも多いのではないでしょうか。

主に「インジェクション」という作成方法で使用される素材です。国内メーカーやブランドで見ないのはなぜか?これも同じく答えは簡単、「ミニマムロット」が大きいという点です。さて、当社、というかデザイナーが、「インジェクションで成形モノ」を企画しないんですよね。

というのも、見た感じに「安い」感じがします・・・

いわゆる、本屋さんやグッズ屋さんで、店頭にくるくる回る展示、あると思うのですけど、そこで置いてるサングラスとかはほぼこれですね。わかりやすく言うと「手にとったらわかる、異常なまでに軽いプラフレーム」

たま〜に、仕入れたODMもので、とにかく安い物を希望するアパレルさんにしか、提案する程度でしか触りません。あと、たまに「アセテート」&「TR-90」という表記がありますが、これは大体

・「フロントはアセテートで、テンプルはTR-90」と言うものです。

この組み合わせの原理は、(例)テンプルを1000本安価で同じ形を作る+フロントを200枚ずつ5型作る=デザイン違いの5型できあがりという、フロントの合口とテンプルの合口をしっかり合わせたデザインさえしてしまえば、「テンプルの5型分の型台が浮くぜ!」、「相当なコストカットだぜ!」ってやつですな。

ただ、メリットとしては、クリアー生地目は「すんげー綺麗!」という点です。

もちろん、物としてや作成方法は至って合理的な考えですし、嫌いではないですが、当ショップデザイナーは企画することはないかな・・・という感じです。

 

アクリル
主要製造国
全世界(※アクリル会社がたまに企画する程度)

今更感もありますが、案外いいのはこれです。特にクリアー生地目。圧倒的な透明感。そして強度。セルロイドと同じく芯要らず。

・デメリットは、弾性がないため加工がめっちゃしずらい。そして、やたら重い。とにかく重い。

逆にこれらデメリットをクリアしていけば、かなり将来明るい素材かとも思うんですよね・・・。なんでやらないんだろう?、とは思います。おそらく、単純に「アセテートでよくない?」で終わっちゃうんですよね・・・。

 

骨とか角(バッファローホーンとか)
主要製造国
中国>タイ>台湾 etc,,,

ベトナムの露店で売ってるツノでできたやつとか、です。独特の風合いがあります。

アセテートと同じ要領ででできますが、デメリットは非常に硬い、そして作成時の臭いが半端ない(悪い意味で)。アセテートでよくない?という人もちらほらです・・・。でも木と同じで、やはり「本物の風合い」には敵わないのです。

 

鼈甲(べっこう)
主要製造国
タイマイの甲羅が在庫であるところ?

とても高価です。とにかく高い。それと、骨とかツノと一緒で少し生き物のものなので、デザイナーとしては抵抗があります・・・。

いわゆる、「DEMI=デミ」と言うのはこちらの柄です。黄鼈甲、白鼈甲的なものが価値ありです。(聞いた話では、黄色ければ黄色いほど価値あるとのこと)

保護条約でもう取ることは難しいので、そういった点も踏まえて価値を求める人が購入するべきものかと思います。あとは、実物は確かに綺麗だな、という印象です。

・デメリット:とにかく高価。そしてなかなか売ってない希少性。

 

さてさて、メタル素材です。
合金系素材(ニッケルなど)
主要製造国
中国 > 台湾 > 東南アジア

とにかく安い!早い!加工が楽!と、牛丼のような素材です(笑)。全然悪くないのですよ。むしろ、値段は「ピンキリ」なので、これも一概にいえません。ただ、アレルギーが出る人は多いのです(デザイナー本人は出ます)。後述もしますが、メタルは「表面処理と磨きが全てなのでは?」と思うのです。

 

ステンレス
主要製造国
中国=ドイツ > フランス&イタリア >台湾、韓国=北アメリカ

ほぼ、世界のメガネのメタル素材の主流です。最近ではサスティナ系の、アレルギーフリーのステンレスまで様々。なんと、土に埋めたら土に還るものまであるとか・・・。

とにかく、メガネの主流はステンレスです。チタンじゃないです。

強度があり、0.8mm程の(というか以上の厚さの)板を“抜き”で(レーザーとか切削機械で、業科用語で“板抜き”)、ミニマムフリーで作成できるという、製造側としては文句なしの最強素材です。

ドイツの某ブランドは、板抜きで有名、日本の展示会でいつも挨拶するあの日本で有名なドメスブランドの製造方法もこれです。(あそこはチタンかな)

後述しますが、日本では、上述の通り作りません(というか作れません、できるんでしょうが頑なにしません)。

デメリットは、製造国の表面処理や塗装技術が、日本には少し劣るがために、すこーし、いやほんとにすこーし荒く見える。逆にいえば、ここさえしっかり指示出しすれば最強なのでは・・・と思います。あとは、アレルギーフリーじゃない場合は、アレルギーがでるのです。

 

金(金無垢)
主要製造国
中国>日本>韓国&台湾

昔は日本が一位でした。今はもう3社くらいでしょうか。デザイナーのおじさんが、この金無垢を唯一いじれる会社でしたので、金庫には常に金の延べ棒が何本もありました。

中国でも人気がある金。余談ですが、困った時、眼鏡屋でもなく、どこか街中にある「金買買取ます!」的なところにグラムで売れるので、投機目的でも多少は買う人がいますね。

メッキの必要はありません。なぜなら金だからです。

・デメリット:持とうとしてもなかなか持てない&売っていない、そして作っていない。ただ、香港の金専門店とかには結構あります。

 

サンプラチナ
主要原産国
日本(しか聞いたことがない)

「懐かしーなオイ!いいねえ!買わないけど!」と言われて企画したのに誰も買ってくれなかったことがあります。。。

ただなんか独特の色味があります。あと重さもまあまあ程よく。マニアが好きな感じですね。

デザイナーもそう言うのが好きなのですが、ここは企画したけどあまりにも見向きもされずに(懐かしむ人は大勢いたが)、販売は会社が許しませんでしたね。。。

 

NT(合金)
主要製造国
韓国>中国>日本

いわゆる「形状記憶合金」です。業界用語で「NT」。会社によって混合比率が異なるため、興味があれば調べてみてください。

昔は日本が1位でしたが、中韓に抜かれました。NTの2ポイントは日本だ!と言うイメージでしたが・・・。

METRONOMEのフレームで言うと「Siesta」「Strobolight」とかがそうですね。基本分類的に、主素材のチタンに属します。

・デメリット:まあまあコストが高い。結構調子とるのが辛い。作るとこが減りすぎて、探し出すのが辛い。

 

チタン(βとかの合金チタン)
主要製造国
日本 > 中国 > 韓国

海外展示会で「チタン」と言うと、「日本か?中国か?韓国か?」と聞かれるくらい。この3カ国でくらいしか作成してません(台湾あるかも)

むしろ、日本で工場さんに「メタルフレーム」と言うと、それすなわち「βチタン」と思われます。むしろ、「ステンでしてほしい」と言っても、「めんどくさいからチタンでよくない?」と言われ一蹴されます。

メリット
・日本が製造に慣れてるため、製造するのがとにかく楽である。背景も日本は豊富。
・慣れてるのでメッキや塗装がしやすく、品質もいい
・とにかく細くデザインできる

デメリット(僕の主観と経験から)
・コストが高い
・海外でよく「え、なんでタイタニウムなの?ステンで良くないの?」と本当によく言われる
・そのため、ステンレスに慣れてる海外のショップが、修理等で海外の店舗で直そうとしたときに近隣諸国で扱えないため、直接日本に戻ってくる。そのために輸送コストが負担に見られ、見送られること多々。
・再メッキが面倒
・メッキ屋さんが数少ないため、コスト的にも厳しい
・メッキ屋さんをどう抑えるか、でほぼ生産日数の運命が決まってくる

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